それでは順を追ってEPUB書類作成のための注意を書きます。
- たくさんの章や節を持つEPUB書類を作成するならInDesign書類は章や節毎に作成します。そしてブックでひとまとめにします。そうすることでEPUB書類の中で章や節はそれぞれがXHTMLファイルとなります。メリットはページの表示が早くなります。
- InDesign書類のレイアウトは出来るだけ単純にします。完成したEPUB書類を見ていただくとすぐにわかると思いますのでご覧ください。すべてのEPUB書類がとても単純なレイアウトであることがわかります。
Sample eBook Library
http://www.adobe.com/products/digitaleditions/library/
Adobe Digital Editions(無料のEPUBリーダー) - iPhoneやiPadのiBook、MacやWindowsでDigital Editionsを利用してEPUB署類が表示されるとき、レイアウトをコントロールできるのはせいぜい順番だけです。InDesign書類の左から右、上から下の重なり順で表示されます。
- ベクドルフラフィツクはEPUB書類へ書き出すことが出来ません。無くなってしまいます。Illustratorファイル、InDesignのペンツールなどで書いたオブジェクトは無くなりますから、Photoshopで画像に変換しておきます。解像度は72ppiにします。ファイルフォーマットはGIF、JPEG、PNGのいずれかにします。EPUB書類は表示以外では利用されませんので解像度を高くしては行けません。サイズも目標とするデバイスの画面サイズにします。
- 画像はすべてアンカー付きオブジェクトにします。詳細はオンラインヘルプをご覧ください。
http://help.adobe.com/ja_JP/indesign/cs/using/WSa285fff53dea4f8617383751001ea8cb3f-6c43a.html - 画像にたいするテキストの回り込みはEPUB書類では無くなります。
- 表示に写真をドカーンと載せたい時には表紙だけを単独のInDesign書類にします。そしてブックの最初に登録します。EPUB書類にはページという概念が無いのでページに用に見える画像を最初におきます。Sample eBook Libraryにあるdeath and the senator (arthur c. clarke)を見ていただくとイメージが湧くと思います。
- EPUB書類の先頭に目次を作成するには手書きにします。InDesignの機能を使ってもそれは無くなってしまいます。手入力をしたテキストにハイパーリンクを作成します。相互参照の利用をお勧めします。
- EPUBリーダーの目次メニューに目次を表示するにはInDesignで目次スタイルを作成しておきます。EPUB書き出しで目次スタイルに合わせてEPUBリーダー用の目次が作成されます。EPUBリーダーによっては目次メニューがありませんので利用できるかどうかはEPUBリーダー次第です。
- ファイルメニューにあるファイル情報にはタイトル、作者、説明、キーワードなどを入力することが出来ます。著作権情報もこちらに!
- 箇条書きは利用できます。ドットと番号だけですが、これだけ制限があるとうれしくなります。
- 縦中横、ルビ、文字の回転、異体字などの属性も無くなります。ああ、慣れ親しんだレイアウトソフトでまるでテキストエディタ並みのことしかEPUB書類には書き出すことが出来ないなんて...。
- フォントの埋め込みはPDFへのフォントの埋め込みと同じ考えですが、EPUBリーダーはまだ日本語の埋め込みフォントをサポートしていないので無駄です。